カウンセリング・サービス(主に経営者向け)のこと

事業者/経営者向けのカウンセリングは、私が最も長く続けている仕事の1つです。

もともとは、公認会計士/コンサルタントだった2000年代に、対組織の支援手法の一つとしてコーチングを手がけるようになったのがきっかけなのですが、仕事柄、事業者さん、経営者さんご本人との距離が近いこともあって、徐々に(個人向けの)カウンセリング的な志向に向かってきたということがあります。

今回は、この辺りをちょっと語ってみたいと思います。

経営者=他人から支えてもらうにふさわしい仕事

おそらく、ある程度ディープに組織に入り込むコンサルタントにとっては常識だと思うのですが、経営層の方やその周辺領域には、相当な割合でメンタル問題(?)が存在します。

というのは、そもそも、経営者という役割が「次から次にストレスに晒されるハイプレッシャーな立ち位置」だからですね。
どうしたって事業環境の不安定性が直撃するポジションなのです。

このことはコロナの環境下でさらにクッキリした気がしますが「何かあった時に(とんでもなく)大きな決断を迫られる」んですよね。その決断は多くの人(顧客や従業員)にインパクトしますから、責任感が強い方の多い経営者層にとっては、それがプレッシャーにならないはずがなくて。

また事業において、新しいものを創り続ける立場にいるというのは、同時に、過去から大切にされてきたものを(少なくとも部分的には)失っていくという面もあるという意味で「喪失に直面し続ける」仕事でもあります。

最首
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そうやって約20年ほど現場で経営者の方と語り合うをする中で、私が思うようになったことは「事業者や経営者のような仕事は、誰かの支えなしには、健全に続けられることじゃない」というか、「継続的な支援を受け続けるにふさわしい仕事」だということです。

そのことは私自身、ベンチャーの経営に携わっていた時期にも思いましたし、今も弁護士として法律事務所を経営する中でも実感することですが、そういったハイプレッシャーな仕事というのは「誰かから支援され続けていなければ、健全に続けることが難しい仕事」だと思っています。

ストイックな経営者マインドの背景

そういったハイプレッシャーなポジションに立ち続けている中で、人間って「慣れの生き物」であることもあって、感覚が麻痺している方も多いようにも感じます。というのも、事業者や経営者の方というのは、実家も事業をやっていたりするので、生育環境からして「当たり前と考えるプレッシャーのレベル」が元々高いんですよね。

私が支援しているお相手は、二代目の経営者さんの割合がとても多いんですけど、育ったご実家の雰囲気やご両親が見せてきた背中について伺うと、とてもストイックであることが多いんですよね。

おそらく、創業期のご両親の姿を見て育ったということの影響が大きいように思うんですけど、「死ぬほど頑張る」「一人で抱える」「泣き言は言わない」・・・・なんというか鬼滅の刃的な世界がそこにあるというか。

その背景には、どん底を見た戦後からの「喪失を取り戻そうとする」メンタリティの継承や、昭和中期の成長の中での「頑張るほどに報われる」時代的なメンタリティの継承もあると思うんですけど、それがどこか「あたりまえ」のものとして2代目経営者の方に受け継がれている面がありまして。

なんというか、そういう方達って「自分を律して(痛々しいほどに)頑張る」んですよね。もちろんこのことって、決してネガティブなことではなくて、プレッシャーの中でも「何かをやり抜く」という稀有な資質なんですけどね。

最首
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けれど、これは人生の中で終始継続し続けたら、どこか無理が来て心身を痛めますし、自覚的でないと、他人にもそのレベルを要求しがちな傾向を持つようにもなりかねない、組織の中の人間関係を壊しやすいようなリスキーな性質でもあるのです。

なので、こういう傾向に気がついて、時には肩の荷を下ろしてもらう、自分の癖に気がついてもらうみたいなところで、カウンセリングがお役に立てる場合があるんですね。

私自身(三代目、傍流家系の長男)の話

ちなみに、そんな話をしている私はどうなのかというと、実は「三代目」かつ「傍流」にいる経営者ポジションの人間でして。祖父が大正生まれの厳格なタイプの経営者(しかも元軍人)でしたので、実家はかなりストイックというか、温かい家庭というよりも厳しい企業の雰囲気が漂っている場所でした。

そこは子供ながらにして「成果を残さないと居場所がなくなる」みたいなことを感じずにいられず、孫世代も受験なんかの時には、子供でも必死で頑張らざるをえないようなところがありました。(もちろん頑張ったなりの結果も得たので、自分にとっては大きな財産になりました。)

事業を承継した二代目経営者の叔父や医院を開業した父も、その祖父の厳しいしつけというか、監視的な関わりに苦しんでいたように思えますし、一方で、だからこそ事業経営者としては優秀で、長く現役を続けてもいました。

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私はそんな事業者/経営者の大変さ、特に「二代目」として、先代の影響を強く受けざるを得ない大変なポジションにいる方を、子供時代から見て育ったこともあって、自然とそういう方々を支援したくなったんでしょうね。

ちなみに私は次男家の長男なので、事業を継ぐポジションにいなかったこともあり(後継は長男家の長男です)、コンサルタント職である公認会計士になって、コーチングのような対組織/対人支援技術を身につけるようになって、何か相談があったような時に、実家の事業を支えられるようなところに向かったようなところもあります。

で、カウンセリングサービスのこと。

そんなふうに身につけた対人支援技術というのは、何も実家のためだけに使うべき理由もないので、これまで弁護士や会計士として事業をしていく中で、縁があった経営者の方々を支援するのに使ってきています。

ちなみに、この支援の枠組みとしては継続的なカウンセリング契約なのですが、私が弁護士でもあるので会社としては「顧問契約」ってことになっているケースが多いですかね。

経営者の方と弁護士が何を話しているかを詮索する方もあまりいないので、大体、月に1回か2回程度、面談の時間をもって、いろいろと考えていることを話す時間をとっています。費用的には、COMMONSのティール(月1時間/3万円)の枠組みに近く、そして、ほとんどの方が年単位のおつきあいになってきています。

最首
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そこで語られる内容は、年単位で大きく変わっていくのですが、それはおそらく「自己を振り返る」ことっていうこと自体、大きく視座を変える力があるからでしょうね。私はそのことがとても不思議というか、人間の自己変容の力を感じさせられる面があって、この仕事を続けています。

また「人を支える/支えられる関係」というのは、世の中にありふれているものではある一方で、支援関係をしっかりと機能させていくためには相当の知識や技量を要する、という面で非常にプロフェッショナルな世界だなと思っています。わたしもプロのコーチ/カウンセラーとして20年近く学び続けていますが、どこまでも果てがないようなところも(そこがいいんですけどね)あります。

それは人間というものが、それだけ奥深いということでもあるからだと思いますが・・・・この辺はまた語り始めると長いので、今日はこの辺にしたいと思います。長文、お付き合いありがとうございました。(一応最後に、コーチ養成機関の登録ページを書いておきます。)

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