COMMONSの積立/保険機能について

COMMONSのサービスについては、全くご利用がなかった場合は「さすがに返金まではしない」のですが、事務所の方では「未利用分をカウントしておく」ことにしています。

そして将来、COMMONSのサービスでカバーされない範囲の法的手続のご依頼があった場合には、未利用分は「積み立てられていたもの」とみなして、割引をさせていただく形にしています。

この点についてはさらに色々思い入れのある仕組なので、今日は突っ込んで書こうと思います。

弁護士としてみる光景とジレンマ

売上代金の回収ができない、詐欺的な取引に遭って被害を被った、あるいは、相手の過失で損害(物損や人損)を加えられたなどなど・・・・こういったことは、やたらに頻発するわけではありませんが、事業をやっている方は、一般の方に比べると「リスクに晒される可能性は高い」です。

そして、よほど組織だった事業をしているわけでもなければ、こういった損害を防ぐための手立てをあらかじめ作っておく手間を考えると、「いざ何か発生した段階で対応する」ということになるのが普通なんですよね。

そんな時に、弁護士としてご相談を受けるということがよくある訳ですが、「すでに経済的なダメージが発生している」状況の場合、そこに加えて「弁護士報酬」を請求するのは、躊躇われることが少なくありません。

弁護士が介入すれば、回収の可能性はかなり上がることが多いですが、実際に回収できるかどうかは、やってみないとわからない部分が、どうしても残ります。一方で、介入するとなると、弁護士費用は確実に発生するわけで、これって、なんか「ダメージの追い討ち感」があるんだよなぁと。。。

最首
最首

「それでもやってください!」ってご依頼はありがたいことに多いのですが、こういった構図について、私自身なんか釈然としないのです。。。

特に、廃業/破産局面では・・・

そういうジレンマをさらに強く感じる状況に「事業の廃業」や「経営者の破産」というタイミングがあります。

この時はさらに難しくて「資金が続かなくなったので、破産するしかないのに、破産するためのお金がない(そのため、無理に事業を続けたり、支払いを続ければならない)」という光景をよく見るんですよね。

最首
最首

事業者の破産だと「100万円を超える費用」がかかることも多いんです。それだけのお金を(そういうシチュエーションの中で)捻出するのは、現実にはなかなか大変なんです。

「お金がないから廃業/破産して再出発したい」のに「お金がないから廃業/破産できず、再出発できない」みたいな矛盾が・・・・

事業者の破産は、裁判所に収めないといけないお金(管財費用)もあるし手続も重たいので、私も同情はしてもなかなか費用を下げることができない仕事なのですが、それでも「こういう矛盾した状況、なんとかできないもんかなぁ」と思うわけです。

刑事事件もちょっとこういう構図がある

あとは悩むのは、刑事事件関係ですねぇ・・・(今回、私の側のお悩み大会みたいになってますね)

みなさん「自分が事件を起こすなんてありえない」と、イメージがつきにくいかもしれませんが、実際の刑事事件って、事件に積極的に関わってなくても、「誰かの言い訳」の結果、とばっちり的に「容疑者として疑われる」可能性はあるわけでして・・・交流関係の広い方の場合、それなりにリスクがあるんですよね。また、人を雇ってらっしゃる方の場合は、従業員の方がトラブルに巻き込まれる場合もありますし。

なんというか、世間でのイメージとはちがって、刑事事件の容疑者って、実際はちょっと被害者的な構図があるんですよよね。関係者複数の事件になると、捜査機関は「接見禁止」とかを使って、関係者を分断/孤立させたりもしてくるので(いや職務なのでしょうがないんですが)、これに対して、しっかりディフェンスするためには、弁護士がフットワークよく関与していくことが必要なんですよね。

最首
最首

これも結局それなりの費用をいただくことになって、極限的にしんどい状況の中で「追い討ち感」を生んじゃうよなぁと。。。。

使わなかった顧問料を「もしものときの積立金」に

そこで思いついたのが「顧問サービスの利用料って、フルに使わずにいる人が結構多いんだよなぁ」というところとの組み合わせです。使いきれない部分がある方については、これをカウントしておいて「もしもの時には、この余った費用を弁護士費用に当てられる仕組みにすればいいじゃない」という考えです。

利用者の方にとっては、会員でいる間は「使わなかった分だけ保険みたいに積み立てておける」イメージですね(退会してしまうと特典は無くなってしまうので、厳密にはちょっと異なります)。弁護士の顧問料としては一般的ではない(つまり、多くの顧問契約は「掛け捨て」)とは思うのんですが、でも取引的には、こっちの方がフェアなんじゃないかと。

最首
最首

私個人としても、顧問先であり続けてくれる方というのは、一見さんでない、継続的なお付き合いのある「特別なお客さん」たちです。こういう人たちが苦境に陥った時は、やっぱ自分が一肌脱ぎたいという気持ちがあります。

それは、ちょっとプチ契約であるCOMMONSの会員さんたちも同じです。

状況によっては、未利用分の最大3倍まで保障します

なお、そんなに多くの事業者さんがこういう局面に陥るわけではないので、少し保険的な考え方(大数の法則)も活かして、COMMONSの会員が万が一将来破産に至った場合は「未利用の顧問料の最大3倍(会員継続年数に応じて上限300万円)」まで対応のための弁護士費用を保障する(正確には、私が破産時の自らの報酬を差し引く)対応を取らせていただきます。

具体的にいうと、会員の方から自己破産の相談があって手続を取ることになった場合、その方の未利用の相談時間が「10時間」あった場合は「30万円×10時間×3=90万円」までの弁護士費用をこちらで負担します。(ちなみに小規模事業者の破産事件であれば、このくらいあればおおむねカバーできてしまいます。)

同様に、刑事事件(巻き込まれパターンでの被疑者/被告人側限定ですが)についても、本当に事故的な性質の事案ですし、こちらも「最大3倍(詳細は上記と同じ)」までの費用を保障します。さすがに当たり外れが激しい国選弁護システムに、大事なお客さんを委ねるわけにもいかないので。。。

ある面でCOMMONSのメンバー全体の未利用顧問料で、苦境に陥った時に「相互に支え合う仕組み」なので、おそらくこれでも私が持ち出しにはならないと思います(もちろん事務所の利益はその分減ってしまうとは思いますが・・・、とはいえ、未利用分を使ってもらうだけなので、対価に見合った仕事をしているだけですね。)

最首
最首

もちろん本当に「預かり」だって言い切っちゃうと、税務署に突っ込まれるので、あくまで「特別なお客さんの場合に値引きをしているだけです」っていう建前は崩さないですけど。。。

ということで、COMMONSのキモの部分になるパーツなので、あえて記事にさせてもらいました。なお、COMMONSの申し込みは、こっちのボタンからどうぞ。

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