遺産分割の話し合いの前に・・・大事な確認事項(遺言ありますか?)

私の弁護士事務所で一番多い相談は、「相続関係」のご相談なのですが、いくつかよくあるケースをご紹介したいと思います。

遺産分割や遺言書など、気をつけるべきポイントをケースにそって解説いたします。

遺産分割の話し合い始まる・・・でも?

ご家族のどなたかが亡くなられて、四十九日も過ぎて、遺産分割を話し合ってるのだけど、どうにもまとまらず・・・・というところでご相談をいただくことがあります。

かくかくしかじか・・・と、一通りお話を伺った後に、私がまず確認すること。

それが「遺言の存在」です。

最首
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ところで・・・念のためなんですけど、遺言はないってことでいいんですよね?

こう聞くと、みなさん、ちょっと不意をつかれたように、ポカーンとされることがあります。

私としても、ゼロベースで遺産分割の話し合いしてるんだから、「遺言はないのが前提」なんだろうなぁという気はしているんですけど、プロとして確認しないわけにいかないので・・・

お答えは、もちろんケースによっていろいろなのですが、しばらくの沈黙の後に「いやぁ・・・どうなんでしょう」なんてこともあります。

遺言がない?いやこれ、しょうがないんですよ・・・

遺言があるかないかって、一緒に住んでいた人でも、「生前にちゃんと伝えられていることもあれば、そうじゃないこともある」し、「あるって聞いてるけど、どこにあるかわかんない」なんてこともある。

なので、よくわからないままに、財産を分ける話が始まってしまって・・・なんてこともあります。

相続税の申告期限とかもあるので、ちょっと急ぐ気持ちになってしまったりしますしね。

なんでこれをはじめに聞くかっていうと、

遺言のありなしで「遺産を分けるルールが全く変わってしまう」からなんです。

「遺言」=「人生最後の財産処分」

「遺言」って、皆さんのイメージだと、奥さんや子供たちへの感謝を伝えたりとか、そういうほんわかしたイメージもあると思います。

しかし法律的な機能は「人生最後の財産処分」なんです。

「自分の財産は、自分の判断で自由に処分できる」ってのが、法律(民法)の基本ルールで、それは人生の最後の瞬間にも及びます。

なので、遺言って、「私が死んだタイミングで、自分の財産はこのように処分します」という意思表明であり、その書類が適切な形で残されていれば、受け取る人たちも、基本的には受け入れるしかないんです。

遺言書の書き方のポイント

多いのは、財産をリストアップした上で、「この預金は妻に、この土地は長男に、この家は娘に・・・・」と、行き先を指定していく形式。

最後に「ここで指定されてないものは、誰々に」というのもついていれば完璧で、こうすると全部の財産の行き先が、指定され切っちゃうことになります。

こうなると、遺産分割協議の必要なんてなくて、ただ、指示された通りに分けるだけってことになります。

また、遺言に書かれている内容を実現すること(本人の預金口座を解約して、指定された人の口座に送金するとか、不動産の名義を変えるとか・・・)は、「遺言を執行する」と言うのですが、「この役割を誰がやるか」ということも、遺言に書くケースがあります。

これは「遺言執行者の指定」と言うのですが、これがあるとさらに完璧で、その人が遺言書を持って、金融機関とかに行けばその通りの手続きができてしまいます。

(それ以外の場合は、一応、全員の同意が必要なので、ちょっとめんどくさいことになるパターンがあるのです。)

それでどうなった?(遺言を探してみた)

私が関わったとある案件では、相続人同士がちょっと遠縁だったので、誰が何を引き継ぐか、揉めていたいのですが、

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ところで遺言は・・・・

という話をしてみるとときに、

「あれ?なんか昔作ったって言ってなかっけ・・・」

と言う話が飛び出し、

亡くなった方の遺品を確認してもらったら、過去にお付き合いのあった税理士さんが判明し、さらに辿っていくうちに、約20年前に作成した遺言が遠方の公証役場にあることが判明したことがありました。

取り寄せて内容を見たら、財産すべての行き先と遺言執行者の指定のあるパーフェクトな遺言で。

親族の皆さんにご連絡をして写しをお渡ししたら、なんだかみなさん一度揉めちゃってただけに、一瞬ちょっと気まずい雰囲気になってしまいました。

最首
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いや、こういうことってよくありますし、ご自身に権利があるかもしれないとなったら、それを主張するのは当然のことなんですよ。皆さんそれぞれに、生活ってものもありますし。。。


と私の方でフォローさせてもらいまして・・・。

そうしたら、「あの人は用意がいいねぇ」「そうそう昔からそうだった」と昔話なんかも出てきて場がつながり、それを聞いて私もちょっとホッとしました。

ご親戚はその後、もともと遠縁だったこともあり、ギクシャクすることもなく過ごされているそうで、よかったなぁと。

(このケース、一番ハラハラしていたのは、天国で見ていた旦那さんかもしれませんねぇ。。。。)

そんな旦那さん向けのサービス

なお最近は、法務局が「遺言をちゃんと発見してもらうためのサービス」として、「遺言書保管制度」を始めてくれましたので、心配な方は、これを利用した方がいいと思います。

自分が亡くなったときには、相続人のところに自動的に通知を出してくれるので、遺言の存在が忘れ去られることがない仕組みになっています。

ではでは、今日はこんなところで。

(お断り)
このブログの情報は、簡明な理解のために厳密さを省いている所がところどころあります。なので実際に行動される際は、念の為、お近くの専門家にご確認くださいませ。(もちろん、私のところにご相談いただいてもOKです。)


ご紹介している事例については、事案を組み合わせる、一部改変するなどして、実際の特定のケースと結びつかないようにしております。

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